PMIイズム#8

チームを中心に考え、特にアジャイルプロジェクトではサーバントリーダーシップを発揮している

今回は「サーバントリーダーシップ」にfocusを当てることとします。まず、サーバントリーダーシップの特性としては以下の10項目が該当します。


【1】傾聴
 相手の望みを聞き出す。そのために話をしっかり聞く。そしてどうすれば役に立てるか考える。

【2】共感
 相手の立場に立って相手の気持ちを理解する。完璧な人などいないという前提で、相手をどんなときも受け入れる。

【3】癒やし
 メンバーの現状や心体への配慮も欠かさない。最大限の生産性や能力発揮のために、組織内で欠けている部分を互いに補足し合うことが大切だと考える。

【4】気付き
 ものごとをありのままに見る。それにより気付きを得る。相手に気付きを与えることもできる。

【5】納得
 上司としての権利を行使して服従させるのではなくて、相手のコンセンサスを得ながら納得を促すことができる。権限に頼らず、服従を強要しない。

【6】概念化
 常に目標への志向を忘れない。メンバーに目標、組織のゴールを伝え、イメージさせることができる

【7】先見力
 過去の出来事や教訓、現在の状況と照らし合わせ、そこから将来の出来事を予想できる。

【8】執事役
 自分が利益を得ることよりも、メンバーの成長を支援し、相手に利益を与えることに喜びを感じる。

【9】人々の成長への関与
 仲間の成長を促すことに深く関与している。メンバーが持つ能力や可能性、価値を信じて成長を促す。

【10】コミュニティづくり
 人々が大きく成長できるコミュニティ、環境をつくり出す。

私が初めてサーバントリーダーシップについて学んだのは、防衛大学校を舞台にした漫画「あおざくら」でした。こちらでは、サーバントリーダーを「負けないためのリーダー」と定義しています。
「勝つためのリーダー」「負けないためのリーダー」についてはこれまでに定報でも何度かネタにしていますが、私自身も結果至上主義にはかなり抵抗がありますので、前者の考えはさっぱり捨ててひたすら後者を目指していきたいと考えています。勝つことだけにひたすら固執するリーダーは・結果だけで部下を評価し、結果に至るまでのプロセスはいっさい見ない


・赤字が発生しそうな場合、裏工作をしてでも無理矢理黒字にする
・部下の気持ちをいっさい考えず、無謀な要求を当たり前のようにしてくる

という、部下を潰すクラッシャー上司的な特性があるのも事実ですので・・・
また今回は、10数年前に大ヒットした「もしドラ」に倣い、高校野球を例にとってサーバントリーダーシップを考えたいと思います。


高校野球の監督・マネージャーに求められるサーバントリーダーシップとは、以下のような取り組みが該当すると考えます。そして、IT業界においても同様の取り組みが求められる時代が到来した、と考えます。


①練習メニューやポジションについて選手の希望を聴き出し、選手が納得するよう選手の意見をしっかりと聴きながら決めていく。(傾聴・納得)

②三振やエラーをするのは当たり前の前提でミスを責めることはしない。
 また、ミスを完全に無くすことを求めるのではなく、どうすればミスせずに済み、ミスを減らせるか?を考えさせ、気づかせる。(共感・気づき)

③定期的に休みを与え、選手が常に万全のコンディションで練習、試合に入っていけるように配慮する。(癒やし)

④チームの目標を選手全員に伝え、各選手が自主的に目標に向かって何をするべきかを自分たちで率先して考え、練習するよう助言、サポートしていく。(概念化)

⑤相手の弱点を探すより、自分たちの過去の試合結果と現在の状況を照らし合わせて今後の練習、試合に向けた戦略を練る。(先見力)

⑥練習や試合で成長を見せた選手、活躍した選手を全員の前で褒め、どうすることで良い成果を出せたかを説明、共有する。そして、常に選手の可能性を伸ばして成長を促すことを第一に考える。(執事役、人々の成長への関与)

⑦グランド整備、用具や食事の準備等の裏方作業を自ら率先して行い、選手が最高の環境で練習できるようにする。(コミュニティづくり)

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