PMIイズム#3 「納品やプロジェクト終結を優先するために、決められたステップやプロセス、決められた文書類を無視しない」

プロセス改善

今回のイズムは、一言で言うと「規則は必ず守りましょう」となります。
期限に強くこだわるお客様の場合、遅延が発生してしまうと規則そっちのけでとにかく急げの一点張りです。しかし、規則を無視した結果問題が発生してしまうと規則を無視したことを徹底的に責められ、ステップやプロセスの改善や再発防止策の策定をしきりに求められます。


規則を守らない人はいます。そして、規則を守らなかったことが表面化されないままプロジェクトが進むこともあります。しかし、最も恐ろしいことは「規則を守らないことがいったんまかり通ってしまうとそれが当たり前になってしまう」ことです。例えば、遅刻常習犯がいてその人が誰にも注意されなければ「遅刻してもOK」という空気になり、遅刻者が続出してしまいます。


PMOに特化した規則はあり、自ら遵守することは絶対ですが、PMOの主たる役割は「開発・保守業務のステップやプロセスを文書化し、開発チームに説明する。そして、規則を守って業務を進めてもらうよう依頼する」こととなります。さらに、開発開始後にはPDCAサイクルを回しながら規則が守られていることの確認、要望の吸収、規則の改善、改善結果の説明を繰り返します。そして、何より「規則を無視しない(されない)」ために「無視されるような複雑な規則を作らない」ことがPMOに求められていると考えます。
私が2022年1月まで参画していた現場では、PMOが開発グループに対して複雑な依頼を一方的かつ立て続けに出していました。結果、ついてこれない開発グループが続出してしまい非常に厳しい状況が続きました。
つまり、規則を複雑にする→規則を理解できなくなる→対応が追い付かず、規則が無視される という結果になってしまった、ということです。規則を守ることの重要性を開発チームにあらかじめ伝えておき、無視されない規則を作っていれば結果は違っていたはずです。
他にも、無視しない(されない)ための施策としては


・上から下への伝言ゲームではなく、横一線で一斉に説明すること

・規則を改訂する際には必ず現場の声を聞いて反映すること

・PMOと開発グループの意見交換の場を定期的に開催すること

等、いろいろな案が考えられます。そしてプロジェクトの特性や状況に応じ、ベストとなる取り組みを策定していく必要があると考えます。

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