PMIイズム#10

適切な情報を、適切なタイミングで、適切な人々に伝達している

今回は、PM/PMO業務で最も重要なファクターとも言われる「コミュニケーション」の話題となります。

PM/PMOはスコープやルール、体制、スケジュール等に変更が発生した場合や障害が発生した場合に関係者を招集し、情報伝達を行います。この際、適切なタイミングで適切な人々に伝達する他にも「情報を確実に伝
達できる最適な手段を選択すること、そして、伝達の仕方をメンバーに確実に伝えること」が求められると考えます。

私自身、過去に情報伝達で最も苦労し、そして現在最も撤廃したいことは「伝言ゲーム」になります。以下のような情報伝達が進んでしまい、情報の質がどんどん劣化し上手く意思疎通ができないような事象について皆様も経験したことがあるはずです。


・顧客や上位者から指示されたことをそのまま丸投げしてくる。しかも、 指示の内容について何をすればよいか全くわかっていない。

・伝達事項を一部のメンバーだけに伝え、他のメンバーへの伝達は任せ きりにする。また、アフターフォローを全くしない。

・近場にいる同僚に「言っといて」と気軽に伝言を依頼するのみである。

PM/PMOを起点とした情報伝達は「縦」ではなく「横」に対して実施するべきである、といろいろなところで語られていますが、これではとても「適切なタイミングで適切な人に」とは程遠いです。ここを改善するに
は多かれ少なかれ時間を要するのが実情ですが、できるところから始めるという意味では関係者全員を集めたMTGの開催、そして関係者全員に伝達でき、かつ確認の証跡を残せるツールの導入という点に着地します。

関係者全員を巻き込んだ情報伝達を上手く実施できれば、相乗効果として「他のメンバーがどういう作業をしているか」をおのずと把握できるようにもなります。そして、お互いの得意分野を把握したり相談しあったり、時には愚痴をこぼしあったりと良好なリレーションシップを構築できればプロジェクトの雰囲気も良い方向に向かい、仕事ももっと楽しくなるはずです。(愚痴をこぼす際、度が過ぎる内容は厳禁ですが…)
そして、Slackのスタンプを確認できれば情報を発信する側としても安心でき、個人的なフォローに割く時間もかなり節約できます。

最後に、情報伝達はPM⇒メンバーの一方通行ではなくPM⇔メンバーの双方向で発生しますし、PMO内部やメンバー同士の間でも日々発生します。
この際、誰が発信元になっても「適切なタイミングで適切な人に」が重要になってきます。ここで必要な取り組みとしては、「どうすればよいか」を早い段階で関係者全員に説明し、理解してもらうことであると
考えます。特に、新規のメンバーがアサインされた時、コミュニケーションのルールに変更が発生した時にまずオリエンテーション的な説明会を行うだけでもその後の展開は大きく変わるはずです。
会話がかみ合っていない、いきなり予想外の話をされる、何をすればよいか困り果てているメンバーがいるプロジェクトはコミュニケーションに何らかの課題を抱えているはずです。そして、ここを少しづつでも改善していければいずれは花が開き、大きな価値を提供できるはずです。

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