PMIイズム#5 「問題や課題を自分事としてとらえ、エスカレーションは最後の手段」

「相談」と「エスカ」は別物

今回はエスカレーション(エスカ)について考えてみました。
「エスカは最後の手段」と言われますと、上長に相談することはよろしくない行為になってしまうのか?と
ふと思いました。そして、「相談」と「エスカ」は何が違うのか?を調べてみました。
結論としましては、「相談」と「エスカ」は別物になります。相談は相手に責任を持たせませんが、
エスカは相手に責任を持っていただきその後の対応を全面的に委ねることとなります。
つまり「バトンを渡さないか渡すか」の部分に違いがあります。こちらの違いについて把握できますと、
エスカ、つまり上長にバトンを渡して委ねる行為は最終手段とするべき、ということは正しいと考えます。
エスカに踏み切る条件としましては、
・顧客や上位会社からの予定外かつ理不尽な要求の発生
・想定外事象(キーマンの急な離脱、偶発的なシステム障害)の発生
等、どうしても自分たちで対応ができず、上長に主体的に動いていただく必要性が生じた場合に限られます。
また、当然のことながらエスカは気軽に行ってよいものではありません。
エスカを確実に行えるようにするため、また、いざエスカを実施した際のもめごとを最小限に
抑えるため、プロジェクト参画時とエスカの予兆を感じた際において必要な取り組みを考えてみました。
■プロジェクト参画時に必要な取り組み
①エスカ先を決め、合意しておく
エスカ先の相手となるのは自身の作業責任者であることが一般的ですが、困った時には相談、
そして最終手段としてエスカさせていただくことについて予め合意しておくことが必要です。
②エスカ先を間違えない
プロジェクトの体制を把握し、エスカ先を間違えないようにする必要があります。
③エスカ先が機能しない場合の相談先を決めておく
必ずしもエスカ先が機能するとは限りません。こうなった場合、しかるべき人に相談して申し入れてもらう
必要があります。私の場合は大山さん、藤原さんになります(その際にはよろしくお願いいたします!)。
■予兆を感じた際の取り組み
①布石を撒いておく
何らかの課題が発生し、近い将来エスカすることになるかも?と感じた際にはこまめに報・連・相を行い
状況を少しづつ理解してもらうことが必要です。
②経緯を文書化しておく
課題発生からエスカに至るまでの経緯はもれなく文書化しておく必要があります。
何も無い状態で単純にエスカしてしまうと経緯の説明・把握にお互いかなりの時間を割くことに
なってしまいます。そして、エスカ先から厳しいお叱りを受けることになりかねません。
③チーム内でのベクトルを合わせておく
エスカの際、チーム内で認識齟齬があると後々もめることになりかねません。
必ずチーム内の認識を1つにしてからバトンを受け取ってもらう必要があります。
こちらのイズムでは、何より「相談とエスカの違い」について理解できたことが大きかったです。
エスカは最後の切り札ですが、相談は相手に迷惑を掛けない、相手に余計な作業を発生させない範囲内では
躊躇なく実施するべきと考えます。私自身、相談を受けることは嫌ではなく、むしろ嬉しいと感じたりもします。
そして、気軽に相談しあえることがイズムの前半にある「問題や課題を自分事としてとらえる」ことに繋がり
チームは確実に強くなっていくと考えます。

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