前回、複数プロジェクトの管理においてひな形や管理方法を統一すべきというお話をしました。
おかげ様で反響をいただきました。が、同時に「大切さはわかっているけど、目先のプロジェクトが忙しく着手できていない」とお困りの声。企業様も多いと改めて実感いたしました。
今回は規定類を整備した後に待ち構える大きな壁についてお話いたします。
前回の内容はこちらからどうぞ。
規定策定の後の落とし穴
複数プロジェクトを横断した新しい規定が作られた後、問題となるのが導入と浸透です。
今までやってきたルールが改訂させているわけですから、現場のメンバーからは反発の声があがることが想定されます。
メンバーの気持ちに立ってみましょう。「このプロジェクト内ではこのやり方でずっとやってきており、これが慣習。このやり方で上手くいってきた。」という主張がでてくるのは当然です。もっと突き詰めれば「今までのことを変えるのは面倒くさい」という気持ちが少なからずあるはずです。
経営陣や管理側は改革(=効率化による生産性向上等)を目指します。しかし、現場に混乱をきたし余計な業務が増えてしまうのでは元も子もありません。現場ではプロジェクトを成功させるために決めたスケジュールで進んでいます。目先の期限もあるのに、途中で管理方法が変わるだなんてとんでもないわけです。
規定類を整備する時点で各プロジェクトに目的共有したうえで、現行のやり方ヒアリングし何か困っていて、仮に規定が刷新になった場合はどこまで許容できるのか、と計画段階ですべてのプロジェクトも納得のいく形にすることが理想でしょう。
ですが、たくさんのプロジェクトがある場合、逼迫している問題がある場合、そう悠長なことも言っていられませんよね。企業として活動している以上、かならず売上や利益が絡んでくるのですから。
どこに落とし所を見つけるか
すべての関係者が納得いくものが難しいとなるのですから、どこか落としどころを見つけていき、ある程度現場に合わせてもらうという結論にどうしてもなってしまいます。
そこでいかに新しい規定を浸透させていくか。
これには目的共有と根気が必要というしかありません。企業の中で新しい慣習を作る取り組みですから時間をかける必要もあります。
新しい規定を使い必要あらばブラッシュアップしていかねばなりません。使ってもらうには使わないという選択肢を排除していかねばなりません。
そのためにも、いかに関係者・メンバー単位に目的や必要性を説き腹落ちし受け入れてもらう必要があるのです。
トップダウンで「使わない場合は罰則」などわかりやすく抑圧してしまうのもひとつです。ですが、規定もシステムも結局は人が使うためのものです。調整役・推進役として「人」が介在することで、新しい慣習を上手に浸透させていくことができるのです。
プロジェクトマネジメントの専門会社であるJPSは、新たな慣習を作るお手伝いをしています。
どのような慣習が必要で浸透させるためにどういったことにお困りなのか、ぜひお聞かせください。