アジャイル開発におけるPMOの役割とは?|従来の常識にとらわれない新しい価値 – プロシアITマネジメント
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アジャイル開発におけるPMOの役割とは?|従来の常識にとらわれない新しい価値

アジャイル開発のポップなイメージイラスト
公開日: 2025年8月18日

プロジェクトを組織全体で支援する役割を持つPMO(プロジェクトマネジメントオフィス)。従来のPMOは、計画どおりに進んでいるか、厳しくチェックする役割が中心でした。そのため、変化に柔軟なアジャイル開発とは合わないと考えられがちでした。

しかし、最近は大規模で複雑なアジャイルプロジェクトが増え、組織全体をサポートするPMOの存在が欠かせなくなっています。この記事では、アジャイルの環境でPMOが果たすべき、新しい3つの重要な役割について解説します。

1. 会社全体をアジャイルな組織に変える役割

アジャイル開発の成功は、特定のチームの頑張りだけでは実現しません。会社全体の文化や仕事の進め方が、アジャイルの考え方に合っている必要があります。PMOは、会社全体の視点からこの変化をリードする役割を担います。

  • アジャイルの考え方を広める: 会社内のさまざまな部署や経営層に対し、アジャイルの価値や考え方を分かりやすく伝え、皆が同じ方向を向けるようにします。
  • 変革の計画を立てる: 会社の現状を把握し、アジャイルな働き方へ少しずつ移行するための具体的な計画を作り、実行をサポートします。
  • 学びの場を作る: アジャイルのノウハウを共有するための社内コミュニティや勉強会を立ち上げ、社員が互いに学び合える環境を整えます。

2. 複数のアジャイルチームをつなぐ役割

大規模なプロジェクトでは、複数のチームが同時に開発を進めます。従来のPMOが個々のチームの進捗を管理したのとは異なり、アジャイルPMOは、チーム同士の連携をスムーズにし、仕事の流れ全体を最適化することに力を入れます。

  • チーム間の調整: 関係性の深いチーム同士が円滑にコミュニケーションを取れるように促し、チーム間での課題解決を助けます。
  • 統一した進め方の導入: 複数のチームで共通して使うべき開発のルールや、作業を効率化する仕組み(例:プログラムの変更を自動でテスト・反映する仕組みなど)を導入できるようサポートします。
  • 全体の進捗を「見える化」する: 各チームがどれだけ進んでいるか、どんな成果が出ているかを一つにまとめ、会社全体としてのプロジェクトの進捗を分かりやすくします。

3. 継続的な改善と価値提供を支援する役割

アジャイル開発の最も重要な考え方は、「常に改善し続けること」です。PMOは、この改善活動を会社全体でサポートし、プロジェクトが常に最大の価値を生み出せるように導きます。

  • 効果を測る指標の設定: チームがどれだけ早く、どれだけの価値を届けられたかを測るための分かりやすい指標(例:新しい機能を市場に出すまでの期間、チームの生産性など)を決め、その計測を支援します。
  • 会社レベルの課題を見つけ、解決する: チームだけでは解決が難しい、会社全体に関わる問題(例:予算配分が柔軟でない、必要な人材がなかなか確保できないなど)を見つけ出し、解決に向けて働きかけます。
  • 知識を共有する仕組みを作る: うまくいった事例や失敗から学んだ教訓を、会社全体で共有するための仕組みを構築します。

まとめ:アジャイルPMOは「管理者」から「変化を促す人」へ

アジャイル開発におけるPMOは、単に進捗を管理する人ではなく、会社の働き方を変え、複数のチームを横断的に支援する「促進役」へと役割を変えています。アジャイルの考え方を深く理解し、柔軟で協調的な姿勢で会社全体をサポートすることで、PMOはアジャイルプロジェクトの成功に欠かせない存在となります。

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